リモートワーク開始前の準備とは?
リモートワークに挑戦してみたいと思っても、いざ始めるとなると何から準備すればいいのか迷ってしまいますよね。PCやネット環境があれば大丈夫と思いがちですが、実はそれだけでは不十分です。事前にしっかり準備しておくべきポイントがいくつもあります。
法的・契約面の準備をしっかりと
リモートワークを始める前に、まず整えておきたいのが法的・契約面の準備です。面倒だから後回しにしてしまいがちですが、後々トラブルの原因になってしまう可能性があります。2024年11月施行の「フリーランス新法」では、発注者がフリーランスと業務委託契約を締結する際、報酬額や支払い期日、業務内容などの契約条件を文書等で明示することが義務付けられています。また、契約書(もしくは発注書等)を必ず受け取る・保存する必要があります。
フリーランスエンジニアがリモートワークを行う場合、業務委託契約書にリモートワークに関する条項が含まれているかを必ず確認しましょう。具体的には、作業場所の制限があるか、自宅以外での作業は認められるかといった点をチェックしてください。また、情報管理の責任範囲についても明記されているかが重要です。どこまでが自分の責任で、どこからがクライアントの責任なのかを明確にしておけば、万が一の際も安心ですよね。
緊急時の連絡体制を整えておくことも大切です。契約書に緊急連絡先や対応時間が明記されているかを確認し、もし記載がなければクライアントと事前に相談しておきましょう。平日の対応可能時間や休日・夜間の緊急対応についてなど、お互いの認識を合わせておくことで後々のトラブルを防げます。
セキュリティ対策は万全に
リモートワークで最も重要なのがセキュリティ対策です。クライアントの大切な情報を扱う以上、案件開始前に必ず整備しておきましょう。自宅のネット環境が整っていても、VPN(仮想プライベートネットワーク)の導入を検討してください。特に、カフェやコワーキングスペースなど公共の場所で作業する予定がある方には必須です。VPNを使えば、通信内容が暗号化されるため、第三者に情報を盗み見される心配がありません。
PCにはウイルス対策ソフトを必ずインストールし、定義ファイルを最新の状態に更新しておきましょう。また、ファイアウォールの設定も見直しておくと安心です。複数のクライアントと取引する場合は、パスワード管理ツールを導入して、それぞれ異なるパスワードを安全に管理してください。作業データのバックアップ体制も重要です。クラウドストレージを活用すれば、PCが故障した場合でもデータを失う心配がありません。ただし、クライアントによってはクラウドサービスの利用に制限がある場合もあるので、事前に確認が必要です。
クライアントとの事前調整で信頼関係を築こう
リモートワークを成功させるカギは、クライアントとの事前調整にあります。お互いが安心して仕事を進められるよう、最初にルールを決めておきましょう。まず、メール、チャット、電話など、どの連絡手段をメインで使うかを決めておくことが大切です。定期報告のタイミングも重要で、毎日の進捗報告にするか週1回の定例会議にするかなど、クライアントの希望に合わせて調整してください。
作業時間と対応可能時間も明確に伝えておきましょう。朝9時から夕方5時まで作業するのか、午後から深夜まで働くのかなど、自分の働き方をクライアントに共有しておけば、お互いストレスなくやり取りできます。ポートフォリオや過去の実績をまとめておくことで、クライアントからの信頼も得やすくなります。リモートワークでは顔が見えない分、実績や経験を具体的に示すことがより重要になってきます。

